歯の矯正
2024/06/01
治療期間が長期に及び費用の負担も大きい歯科矯正治療。
だからこそ納得した上で満足いく治療を受けたいものです。
その為には出来るだけ正しい情報を集め、治療に臨みましょう。
なぜは歯動くの?
からだに備わっている骨の代謝機能によるものです。
はぐきの中には「歯槽骨」という骨があり歯を支えています。この骨と歯根の間には「歯根膜」という繊維組織があり、歯にかかる衝撃を和らげるクッションのような働きがをしています。
矯正装置によって歯に力が加わると、力がかかった側の歯根膜が圧迫を受けて収縮し脳から「歯根膜をたべるように」という指令がきます。すると歯根膜の中に「破骨細胞」ができ、この細胞によって歯槽骨が吸収されていくのです。
一方、逆側の歯根膜は引っ張られた状態。すると、脳から「歯槽骨をつくるように」と指令が伝えられます。歯根膜の中には「骨芽細胞」ができ、その働きによって新しい歯槽骨が作られるのです。
このように歯はその周りの歯槽骨が吸収されつくられるという変化を繰り返すことで移動していくのです。
歯を理想的な位置に動かすには、2~3年かかりますが、単に歯を移動させているのではなく、歯槽骨が代謝を繰り返しているためにそれだけの時間がかかるのです。
歯が動く速度は個人差がありますが、1カ月に0.8㎜程度といわれています。歯に強い力をかけたからといって、骨の代謝のスピードが上がるわけではありません。
子どものときから矯正したほうがうまくいくの?
子どもは成長発育を利用できる点が大人の矯正治療と違うところです。かみ合わせや歯並びの悪さは歯だけではなく顎の骨格に問題あることが少なくありません。例えば、上下の骨格のバランスが悪い出っ歯や受け口。この場合、成長が終わっている大人では歯の移動だけで治すしかなく、その分効果には限界があります。場合によっては顎の骨の一部を切断するといった外科的な治療と組み合わせることが必要になります。
一方、子どもの場合は、顎の成長を抑えたり促したりすることが可能です。また、顎の幅が小さく歯並びがでこぼこになっている場合は顎の幅を広げて歯が並ぶためのスペースを作ります。このため、抜歯せず治療できる可能性も高くなるのです。
子どもの矯正治療は歯の状態によって二つの時期にわかれます。乳歯と永久歯が混じっている12歳ごろまでが第1期治療。すべての永久歯が生え変わると第2期治療になります。
大人でも矯正できる?
歯根膜や歯槽骨に問題がなければ骨の代謝能力に問題がなければ何歳でも矯正治療は受けられます。ただし、成長期の子どもに比べて代謝のスピードが下がってくるので歯が動くスピードが遅くなることがあります。