親知らずのこと
2024/12/15
親知らずは、顔の中心から数えて8番目の歯のことで、正式には「第三大臼歯(または智歯)」と言います。
寿命が今より短かった昔、親が死ぬ頃になってやっと生えることから、この名前がついたそうです。
顎が退化して生えるスペースがなくなったため、現代人で上下左右の親知らず4本がきちんと生えている人はまれで、ほとんどの人はナナメ、ヨコに生えていたり顎の骨に深く埋まっていたり、顔を半分だけだしていたりと、さまざまな状況なっています。
そのせいで隣の歯や歯ぐきを刺激して炎症や痛みが生じることがあるのです。
親知らずは痛みだしたら、抜くのが最善の治療方法です。
ではどうやって抜くのでしょうか
親知らずの抜き方はその状態によって変わってきます。
普通に生ええている場合には、他の歯と同様に局所麻酔だけで抜歯をすることが可能です。
しかし、ナナメ、ヨコに生えている場合や、顎の骨に深く埋まっている場合は、簡単ではありません。
親知らずを割って何度かに分けて取り出したり、顎の骨を削って抜くこともあります。
親知らずの近くには神経と血管が走行しているのですが、麻酔が十分でないと痛みで不測の体動が起こり、傷つけてしまう恐れがあります。
したがって、神経や血管を傷つけるリスクがあるときには、一本だけ抜く場合でも全身麻酔をすることもあります。
神経を傷つけると、唇・舌・歯ぐきなどの感覚がなくなってしまうこともあります。
それだけに抜歯を依頼する歯科医院は慎重に選んだほうがいいでしょう。
一般の歯科医院では、困難な親知らずに抜歯は難しいこともありあます。その場合は通っている歯科医院に信頼できる口腔外科の専門医を紹介してもらいましょう。
親知らずは痛くなくても抜いたほうがいいの?
→場合によっては抜いたほうがいいときもあります
レントゲンを撮ってみると、顎の奥で眠っている親知らずが見つかることがあります。痛くないのであれば、放っておいて差支えないです。
完全に顎に埋まっている場合や完全に顔を出している場合は炎症を起こすことが少ないので痛くなければ抜かなくてもかまいません。
ナナメになっている場合や半分だけ顔を出している場合は炎症を起こしやすいのですが、口腔ケアをしっかりしているおかげで、炎症が起こらなかったり軽くすんでいる人もいます。
ただし、ずっと問題なく過ごせるとは限りません。
病気や寝たきりで口腔ケアができなくなったり、薬やストレスで口が乾燥したり環境が変わると痛みだすこともありえます。
ご不安のある方はご相談ください。